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エアコン室外機の塩害仕様とは?海の近くにお住いの方は必見!
海からは少し離れたところに設置したエアコンが壊れてしまったけれど、これは塩害って呼ばれるもの?
そもそも、エアコンは海の近くでは使えないのかな?
四方を海に囲まれた日本列島。
潮風に乗ってくる塩分は、容赦なくエアコンにダメージを与えますが、海辺の家にエアコンが設置できない、ということはありません。
今回は室外機の塩害についてです。
塩害って何?塩害地域ってどこまで?
そもそも、塩害地域とは何か?を観ていきましょう。
塩害地域とは、海に近いなどの理由で、海水に含まれる塩分によって悪い影響を受ける地域のことをいいます。
エアコンの室外機に限らず、建築物や電気設備、金属、農作物などが塩の害を受けます。
海岸からの距離に応じて、以下のように分類されています。
○重塩害地域
地域別の区別なく、海岸~500m以内は、重塩害地域です。
重塩害の「重」は、程度がより大きい意味での重ですので、より早く・より深刻に被害がすすみます。
○塩害地域
沖縄・離島 : 海岸より500m~7km以上
瀬戸内海 : 海岸より500m~1km以内
北海道・東北日本海側※ : 海岸より500m~7km以内
その他の地域 : 海岸より500m~2km以内
○一般地域
沖縄・離島 : なし
瀬戸内海 : 海岸から1km以上
北海道・東北日本海側※ : 海岸から7km以上
その他の地域 : 海岸から2km以上
※北海道:松前町~稚内市 東北:青森県東海村~山形県温海町
となります。
沖縄や離島にお住まいの場合は、一般地域に分類される地域はありません。
必然的に、重塩害地域か、塩害地域に該当します。
あなたのお住いの地域はいかがですか?
塩害仕様の室外機
主要なメーカー様であれば、「塩害仕様」の室外機を提供しています。
素材を鉄からステンレスや、特殊なメッキを施したもの、強度が不要な部品であればプラスチックに替えたもの。
電子基板に特殊なコーティングをして、電子回路が劣化・損傷しないよう保護をしたもの。
電気回路に密閉性を持たせているもの。
メーカー様ごとに手法は異なりますが、塩害に耐用するための対策がとられています。
少し値段は上がり、納期にも時間がかかりますが、前述の塩害地域であれば塩害仕様の室外機をお求めください。
当然、標準の(塩害仕様でない)室外機も設置できないわけではありませんが、室外機の故障は頻繁におこり、その都度、高額な修理代を支払うか、最悪の場合、電気回路が腐食してショートするかもしれません。
また室外機だけの交換は、同じメーカー・同じシリーズ・同じ出力のものが、たまたま入手できれば実施できますが、非常に稀です。
室内機や、室内機-室外機を連絡する配管・配線も設置しなおさなければなりません。
ころばぬ先の杖ではないですが、あらかじめ の対策、塩害仕様の室外機のご購入をお勧めします。
塩害地域なら、「塩害仕様」
重塩害地域なら、「重塩害仕様」と、購入先の方に要望をなさってください。
塩害仕様かどうかの見分け方
室外機の銘鈑や、その近くに「塩害仕様」や「重塩害仕様」と、表記シールが別添されている場合があります。
また、室外機の型式が、塩害仕様であることを示す型式になっている場合もあります。
製造番号で識別していることもあります。
型式や製造番号から確認するには、メーカー様への問い合わせが必要です。
型式や番号、表記シールなどを用いずに、室外機だけを見て塩害仕様であるかどうかを確認するのは、残念ながら専門家でも困難です。
塩害仕様の室外機ではない時には
塩害地域で使用しているのに、塩害仕様の室外機ではなかった場合についてです。
家屋の海側か、海側ではないか、がひとつのポイントになります。
出来れば、海側でない方に移設なさってください。
出来れば、というのは、機種によっては配管の長さに制限があるから。
この場合は、許容される配管の長さの位置までしか移設できません。
当然、移設工事の費用も発生します。
そして、水洗いです。
完璧に洗い流すことは、とても困難ですが、やらないよりはやった方が良いでしょう。
ただし、電気が流れる部分や、キャビネットを分解した室外機の内部などは、水を絶対にかけてはいけません。
故障します。
そして、必ずブレーカーを切ってから作業をなさってください。
不安な場合や、出来るだけ塩を洗い流しておきたい方は、メーカー様やクリーニング業者様など、専門家にご相談なさってください。
とにかく塩を避ければいいので、囲いを設けるのも、一つの手段です。
ここで、一つ注意してほしいのは、室外機の送風機から風が抜けやすくすること。
囲いなのに、風が抜けやすいというのは、やや矛盾していますが、この部分だけは風が抜けないと冷房・暖房ができません。
囲いの中で熱がこもって、冷えない・温まらないなどの症状を起こすか、エラーを発報して停止します。
機種にもよりますが、室外機の前方は60cm以上、背面は10cm以上の空間が必要になります(詳細は取扱説明書に記載されていると思います)。
まとめ
塩害地域にお住まいで、エアコンを新しく購入する場合は塩害仕様、もしくは重塩害仕様の室外機をお求めください。
またお引越しなどでエアコンを持っていく場合も、転居先の物件を下見するときに、塩害地域であるかどうか、ご確認なさった方が良いでしょう。
室外機を設置した後の、合理的で効率的な対策は、ありませんので、どうかご注意ください。