業務用エアコンの馬力とは?業務用エアコンの選び方をわかりやすく解説

馬力
業務用エアコンってどの能力を選べばいいの?
家庭用エアコンでは、8畳用や10畳用という表記がありますが、業務用エアコンには、目安になる広さの表記はあまりなされていません。
今回は、業務用エアコンの能力についてご紹介します。

kW表示と馬力

業務用エアコンの能力を確認したい時、もっとも手っ取り早いのは、型式に含まれる数字を読み取る方法です。
40,45,50,56,63,80,112,140,160,224,280などの数字が型式に含まれている場合が大半です。
これは、定格の暖房能力(kw)を10倍した値です。
例えば、80と記載されていれば、定格暖房能力が8.0kWである、という意味です。
同時に、馬力で呼ぶこともあります。
左は、大半のメーカー様が採っている、型式に示す能力(kW)。
右は、その能力に対応した馬力数です。
40-1.5馬力
45-1.8馬力
50-2.0馬力
56-2.3馬力
63-2.5馬力
80-3.0馬力
112-4.0馬力
140-5.0馬力
160-6.0馬力
224-8.0馬力
280-10.0馬力

この時、kWという単位が用いられますが、これは仕事量のWで、消費電力などのWではありません。
ISO規格が導入されてからは、単位が「kcal/h」から「kW」に変更されました。
「暖房の能力は解ったけれど、冷房の能力は?」
という疑問をお持ちかもしれません。
冷房能力は、(おおむね)暖房定格能力が、冷房の最大能力 と考えていただいて大丈夫です。
※近年のエアコンには「インバーター」という、要求に応じて仕事量を変速する装置が搭載されています。
必要ない時は仕事量を減らし(消費電力を抑え)、必要な時は仕事量を増やします。
この働きによって省エネ性能が、格段に飛躍させることができます。
結果的に、近年のエアコンには、定格・最小・最大の各能力が銘鈑に掲載されています。
本来なら、建物の向き、階数、最上階かどうか、壁の材質、天井の材質、窓の面積、窓の方角、窓の枚数、部屋の気密性、隣接する部屋が空調されるか、断熱材の種類や厚さ、換気量、室内の発熱体の数と量、地域性、など多種多様な条件を考慮した計算のうえで、必要なエアコンの能力を求めます。
ただし、これはとてもとても専門的な手法ですので、今回はおおまかな目安をご紹介します。

一般的な事務所の場合

簡易な計算式(と言っても、面積のみから求める方法ですが・・・)を参考になさってみてください。
部屋の面積 × 0.14 = エアコンに求められる能力
仮に50m2の面積の部屋であれば、50×0.14=7.0となります。
が、7.0kWちょうどの能力はありませんので、7.0kWの要求に応えられる、つまり7.0kwより大きな能力表示である、8.0kWタイプ(3馬力)を選定します。
ここで、一つ注意です。
意外と発熱するのがパソコンや大型の複合機等の、電子機器。
その部屋に10台以上のパソコンや大型の複合機が設置される場合は、簡易計算の結果求められた能力のさらにワンランク大きいもの(この場合だと11.2kW)にしておくと間違いないでしょう。

ほかの要因で能力不足が懸念される場合

ガラス窓が大きい、というよりほぼガラス張り。
換気量が一般的な事務所に比べて多い。
扉の開閉が多くて、外気の出入りが激しい、などの場合は、面積 × 0.2~0.25程度の値を参考にしてください。

飲食店や食堂などの場合

こちらは調理の関係で、換気量が大変大きくなりますので、外の温度調整をされていない空気が大量に流入します。
結果的に、季節によってエアコンはフル稼働です。
大きな熱負荷に対応できるよう、面積 × 0.3~0.35程度が参考となります。

大きければ良いの?

これまで見てきたとおり、100の熱負荷に対して、80のエアコン能力では20不足しているため、最低でも100から余裕を観て120程度の能力が欲しいところです。
かといって、では200の能力を設置してはいけません。
初期費用が増大するばかりではないのです。
風と音です。
エアコン能力が大きくなるにつれ、エアコンの風量も大きくなります。
あまりに風量が大きすぎると、人に直接風があたることになり、不快感をおぼえます。
業務用エアコンは、特に商業的な場面で使用されるので、注意なさってください。
そして音。
こちらもエアコンの能力を増すにつれ、風量を増大させる必要がありますので騒音は増加します。
そんな懸念がある時は、室内樹の数を増やすことです。
各メーカー様で呼び方が異なるので、紹介しづらくて申し訳ないのですが、そんなことが可能なんです。

8馬力の室外機に対して接続される室内機も8馬力にするのではなく、4馬力を2台とします。
このやり方だと、空気ムラの抑制にもつながり、より効果的です。
確かに、配管工事や機械の設置作業は増えますので、工事費はやや増加するでしょう。
でも、後々のトラブルに対応するには、工事の段階で先手を打っておいて損はありません。
2台同時運転の他にも、3台同時、4台同時も多くのメーカー様でラインナップされています。

まとめ

ポイントは
・熱負荷に応じたエアコン能力を選定すること
ですが、やはり余裕を観て少し大きめのものを選定する方がよろしいかと思います。
ただし、過度に大きすぎると弊害がありますし、初期費用の問題もあります。
業務用エアコンを設置できる業者様は、通常、正確な熱負荷計算ができる筈です。
モチはモチ屋です。
専門的な技術を習得なさった業者様に依頼するのが、アフターサービスも含めて望ましいと思います。

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