エアコンを移設する時に注意する7つのポイント


故障もしてないし、まだ新しいエアコン。
引っ越しの時にエアコンを持っていきたいけれど、どんなことに注意すればいいの?
今回は、引っ越しの時など、エアコンを移設する際の注意点を、大きく7つに分けてご説明します。

引っ越し前のポイント

引っ越し業者様がエアコンの移設も行うことが多いようです。
まずは引っ越し前に注意する点、やらない方が良い点などです。

冷媒回収

エアコンの室内機と室外機は電線と、冷媒管で繋がっています。
当然ですが、つながったままでは、運ぶことはできません。
壁を貫通していますので。
一度、室内機・室外機を分離する必要があります。
室外機にバルブ(栓)があり、これを閉めることで、室外機に溜まっている冷媒は封じ込めることができます。
しかし、このままだと、いくら室外機のバルブを閉めても、配管の中や室内機に溜まった冷媒は(微量ですが)、大気に解放してしまうことになります。
法で禁止されていますが、たまに「ちょっとだから良いだろう」と解放してしまう、悲しく・情けないヤカラもいます。
では、解放してはいけない冷媒をどのように回収するのか。
それは、「ポンプダウン」という手法を取るのが一般的です。
意図的に冷房で運転することで、室外機は冷媒を液化させようとします。
日常の冷房はこの液化した冷媒を室内機で蒸発させることで、「冷たさ」を作り出していますが、ポンプダウンの時は液化した冷媒を「送る方のバルブだけ」を閉めておきます。
そうすることで、冷媒回路に残留していた冷媒は室外機(の中の圧縮機)が吸い込んでしまい、最終的にもう一方の配管のバルブも閉めて密封することができます。
現行の機種では、これを自動で行ってくれる機種もあります。
移設に関わる取り外し前、冷媒回路の密封をといて修理などをする時など、しばしば採用する手法ですが、どうしてもこの手法がとれない時は、冷媒回収機、という装置で回収を行います。
引っ越し業者様によると思いますが、冷媒回収機を使用すると、取り外し費用は増えますので、次の項にご注意ください。

リモコンと電気

上のポンプダウンは、冷房運転を行います。
冬でも冷房運転です。
運転をする、つまりリモコンがないと運転ができません。
どうしても、という時は応急運転スイッチが室内機か室外機にあると思いますが、世の中のすべてのエアコンに装備されているかは疑問ですし、応急運転スイッチが上手く働かないこともあり得ます。
引っ越し前のドタバタで、リモコンをどのダンボールに収めたかわからない…、
ということがありませんよう。
リモコンのあり・なしで作業時間は大幅に変わります。
では、リモコンで冷房運転スタート!と行きたいところですが、電力会社との受電契約は昨日までだった・・・。
となると、事態は最悪です。
運転できないので、ポンプダウンはできない。
冷媒回収機を持ってきても、それも運転できない。
お隣様に電気を拝領するか、自家発電機を持ってくるか。
飛ぶ鳥 アトを濁さず。
この辺りの日程調整は、移設をお願いしたエアコン業者様か引っ越しとパックの場合は引っ越し業者様と、十分に日程を打ち合わせて、電力会社様との受電契約を変更してください。

配管

次に、配管です。
これは、引っ越し先で新しい材料で配管し直すことをお勧めします。
配管の距離も曲がりも、既設と引っ越し先で、全く同じということはまず考えられません。
短くなって配管を切れば長さは適合する、という場合も輸送中に折れ曲がったり、汚れなどが管中に混入すると、のちのちの故障やトラブルの原因になります。
新しい材料で配管するべきです。
高額ではない筈ですし、通常は新しい配管材料を用いるので、「それも込み」の移設金額だと考えます。
新しい材料を使用する、というのは、それくらい「普通のこと」です。

物件下見の時(電源、貫通穴、設置スペース(室内外機)

引っ越しの前には一度、物件の下見があると思います。
下見の時には以下の点にご注意ください。

エアコンの能力(部屋の広さ)

何と言っても、この能力が適合していないとなりません。
6畳用のエアコンを18畳の部屋に移設しても、エアコンの効果はなかなか得られません。
こういった場合は、別の小さな部屋に用いる、設置数を増やす、などの対策を要します。

電源

一般家庭に供給される電源は、大きく2つの種類があります。
通常は単相100V。
もう一つは単相200V。
移設するエアコンが100Vなのに、設置したい部屋に200Vのコンセントしかない場合は、電源種類の切り替えが必要です。
分電盤で供給電圧を切り替え、コンセントも100V用に交換します(一部供用のコンセントもあります)。
賃借人様、移設業者様と十分確認しておきましょう。

貫通穴

配管や電線を通す、壁の穴です。
これが無い場合は、新たに穴を切りなおす必要があります。
また、貫通させる配管の口径や数が多い機種が稀にあります(ダイキン工業:“うるるとさらら”シリーズなど)。
移設先の貫通穴が小さい場合も、穴を拡張する工事が生じるかもしれません。
もう一つ、移設業者様に念押しをしておきたいのが、貫通後の処理です。
貫通穴は真円、そこを通す配管類の断面はややイビツな丸。
隙間が生じるのですが、これをパテで埋めてくれるかどうかです。
条件によっては、雨風が隙間から流入します。
「貫通後はパテ埋めをお願いしますね」の一言をお忘れなく。
パテ埋めで一万円近く値を上げてくるようであれば、○ッタクリ業者、と言わざるを得ません。
こちらも配管材料の部分と同じく、「普通は」何も申し添えなくてもやってくれる筈ですが、軽めの念押しで、お互い嫌な思いをしないようにしましょう。

室内機設置スペース

こちらは、必然的に決まってくるかと想像します。
配管の貫通穴や室内機用のコンセント近くに設置することになります。
ただし(和室の場合が多いですが)、適切なスペースが確保できない時は、多少の工事が生じるかもしれません。
家庭用エアコンの室内機(業務用の壁掛型なども)は、室内機の背面、つまり壁との間に、背板(呼び方は色々あります)という取付板を強固に取りつけて、この背板に室内機を引っかけています。
背板の取付が強固でない、または強固に取り付けるスペースが確保できない場合がありますので、こちらも業者様とよく打ち合わせを。
急に室内機が落ちてきたら、危険です。
配管がつながっていれば引っかかるはずですが、いずれにしても「あってはならない」ことです。

室外機設置スペース

マンション等の高層階ならベランダになりますでしょうか。
床部においても良いし、庇(ひさし)から吊り下げる形をとる架台も用意できると思います。
室外機の設置に関しては、まず吹き出しスペースを必ず確保すること!です。
室外機の正面から風が吹き出していますが、この風がないとエアコンはただの電気喰い虫。
室内からの余計な熱を吐き出す(冷房)、室外の熱を取りこむ(暖房)など、とても大切な風。
室外機の風が抜けやすい環境を整えてやることが、省エネの第一歩です。
いくら高性能の高額なエアコンを購入なさっても、室外機の真正面すぐに壁や障害物があっては、そもそも運転もままなりません。
トラブルも多いでしょうし、室外機が壊れます。
床に置くと通風状態が良くない、という場合は、少々費用が掛かっても庇から吊り下げる方式をお勧めします。
吊り下げたら、排水です。
冷房時には室内機から空気中の水分から生じた凝縮水が排出されますが、逆に暖房時は室外機が外気を冷やす形になりますので、室外機から凝縮水が発生します。
庇から吊るにしても、床に置くにしても、室外機からの排水、室内機からの排水、上手く処理(配管)するようお願いしておきましょう。
室外機から、ポタポタと水滴が落ちて、エアコンの運転中は室外機回りがビタビタ…ということになりますよ。
藻が生えると掃除も一苦労です。
あらかじめ、の対策が何よりです。
また、通路などの共用部に据えてよいかどうかです。
ベランダに置きたいけれど、配管が長くなりすぎる。
玄関のある廊下なら貫通穴もあるけれど…。
という場合は、一度賃借人様に確認なさった方が良いでしょう。
物件によっては許可しているところが、あるかもしれません。
のちのち、近隣の住人や家主様とトラブルが起きないよう、事前に確認しておきましょう。

まとめ

今回は家庭用のエアコンについてまとめましたが、業務用エアコンもきっちと処理すれば移設は可能です。
費用をかけるべき点、かけない点をご認識いただき、エアコンを長く大切に、効率よくご使用ください。

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